家でも会社でもHHKBを使っているのですが、キーボードに高さがあるため長時間使っていると手が疲れてしまいます。そこでパームレストが必要になるのですが、なかなか良い商品が無いのです。市販品だとFilcoのウッドパームレストが見た目は良いのですが、ちょっと自分には高さがありすぎるのです。
FILCO ウッドパームレスト - Amazon.co.jp
というわけで、3年ほど前から木製パームレストを自作して使っています。今回、同僚から作成依頼が入ったのでついでにブログに作成方法をまとめておきます。他にもやっている人がいたら是非情報を共有したい次第です。
材料
1x4サイズのSPF材をホームセンターで買ってきます。値段は200円くらいです。ノコギリを持ってない場合は、予めキーボードと同じ幅にカットしてもらうと良いです。柔らかい木材なので糸鋸でも簡単に切れます。
側面から見ると、こんな感じです。厚みは1.9cm、幅8.9cmの規格品です。
下準備
最初に木材が平らかどうかをチェックします。平たいテーブルに置いて見ると簡単に分かります。写真では赤丸で囲った部分に1mmくらいの隙間があります。実際に手を置いてみると、力の入れ具合によってガタガタしてしまいます。まずはカンナをかけて、下部を平らにならします。
調整後の写真を撮るの忘れてたのですが、両手を置いてみてガタツキが無くなるまで、カンナを少しずつかけましょう。 最終的に100均で買ったクッションシートを貼り付けるので、ほんのちょっとのガタガタならなんとかなります。この手間を惜しむと、完成品がガタガタして辛いお気持ちになってしまいます。ちゃんとチェックしましょう。
たまに、最初から平らなSPF材に当たる時があります。超ラッキーです。
使用しているカンナ
中学校の時の技術工作の授業の時に購入したカンナです。幅が8cmくらいあって結構重たいのですが、重いほうが木材の加工が楽です。ホームセンターで1000円くらいで売ってる小さいホビーカンナは面取りくらいにしか使えないので注意です。
Rを描く
パームレストは緩やかなカーブがあると、手に吸い付くようで気持ち良いです。(と私は勝手に思っている)
パームレストの個性が最大に発揮される部分がこの工程なのではないか?と私は考えます。理想のカーブを木材の側面に書きましょう。どうやって描くのかは個人の自由ですが、私はクリアファイルをハサミで切り取った型を使って書いています。
削る
この先は、ただひたすらに理想のカーブに行き着くまでカンナをかけます。慣れるまで大変ですが、心を無にしてカンナをかけまくります。
ドラマとか観ながら2時間くらいカンナをかけていると、こんな感じに理想のカーブに合わせたカンナがけが完了します。途中なんどもカンナの刃を調整して、最後の方は非常に薄く削っていきます。
今回は35cmと38cmの2サイズ作成しました。上から見るとこんな感じです。緩やかなカーブに心がウットリとします。
節について
木材には節があります。節はカンナをかけている時にひっかかるので、すごくカンナをかけづらいです。初心者の方は節の少ないSPF材を買うと良いかもしれません。節は扱いづらい反面、味が出ます。味と加工難易度を天秤にかけて素材を選びましょう。
仕上げ
この先はパームレスト自作における至高の領域です。仕上げ作業です。
ヤスリがけ
紙やすりを粒度の荒い物から順番にかけます。最初は240、次は400、次は1000、最後は1500です。写真上部はヤスリがけだけ行った状態、下部は木工用蜜蝋クリームを塗った後に1500の耐水ペーパーで磨き上げたものです。
蜜蝋クリームは↓です。ネットで買ったような…よく覚えてない。これで仕上げると、素材の風合いを活かしつつ、汚れが付きにくく出来ます。醤油とかこぼしても平気です。それでいて、使い込んでいくと皮脂が少し混ざって味がでます。
オイルステインとブライワックス仕上げ
ちょっと汚した感じのウェザリング風仕上げです。まず下地としてオイルステインを塗ります。部屋がめっちゃ臭くなるので換気して塗りましょう。
ペタペタ。
少しわざとらしい感じがしますが、小学校の机の色みたいな感じになります。右側は元の木材そのままの色。
オイルステインを塗った上に、ブライワックスというヘドロみたいなワックスを塗ります。雑にペタペタします。使い捨てのビニール手袋の使用をお勧めします。
ブライワックスを塗って10分くらいしたら、布でゴシゴシ拭き取って1500番でヤスリをかけて仕上げます。↓の写真では上が蜜蝋クリーム、下がブライワックス仕上げ。何となく古民家風の色になります。節の部分やカンナが引っかかった場所にはワックスが強く入るので味になります。(言い訳とも言う)
パームレスト3兄弟
一番上は普段使っているHHKB用です。たしか水性ワックスで仕上げてみた野心作です。下の2つは今回作成したパームレストです。
まとめ
作り続けているのでサラッとやれるようになりましたが、工程を書き出してみたら大変そうでした。カンナとか、ヤスリとか、仕上材も必要です。あと特に忍耐が必要と思われます。自作したパームレストを使ってコードを書くと、何というか別にコードの品質は上がらないのですが気分は良いです。以上、ご参考まで。