それなりに…エンジニア勉強会やカンファレンスで使うプレゼン資料を作ってきたのですが、20分以上のプレゼン資料を作る場合、勢いで作っていくとドツボにハマってしまい、何を言っているのかよくわからない資料が出来上がります。
というわけで、自分なりにまとめたプレゼン資料の作り方 2021年版です。
※ このブログポストは、資料作成のテクニックに焦点を当てています。言わずもがなですが、「自分が伝えたいことを、読者に分かりやすく伝える」ことが、大前提です。
TL;DR
作成方法のスタイルはボトムアップです。流れとしては、テーマに関連する情報を全部一度吐き出したあとに、再構成してプレゼン資料にまとめていきます。以下のような作業順序になります。
- 情報を全部出す
- グルーピングして、視覚的にまとめる
- アウトラインを文章でまとめる
- アウトラインに沿って、ノートで発表内容を書く
- ノートの内容を紙プレゼンに起こす
- TBWの箇所を調査して書く
- プレゼンツールを使って、デジタルなプレゼン資料にする
正直いって、少し時間はかかります。しかし、各作業は独立しているので、空いた時間で少しずつ作業が出来ます。ほとんどの人はフルタイムで働きつつ、余った時間でプレゼン資料を作ることになると思うので、まとまった時間がなくても作れるというのは、大きなアドバンテージです。場合に寄っては、独立した作業を分担して行うことも可能かと思います。
最終的な出力形式はプレゼン資料ですが、手順の5番目以降は、ブログや、原稿執筆に置き換えても使える方法だと思います。
事前に準備するもの
情報カード (Daisoに売ってます)
3 x 5 インチのサイズです。大きすぎず、小さすぎず、丁度よいです。
1. 情報を全部出す 15分
主題となるテーマに対して、自分の脳がリンクさせてる情報を全部書き出します。時間をかけてもしょうがないので、15分以内で終わらせます。
下記の写真は20分のプレゼン用に情報出しを行ったものですが、5分で終わらせました。大切なことは、ググらないということです。自分の考えを書き出します。
2. グルーピングして、視覚的にまとめる 20分
情報カードに書かれた内容を、グルーピングしていきます。このグルーピングで、全体の流れが決まってくるので頭をフル回転させます。センスの見せ所でもあります。
グルーピングが終わったら、それぞれのグループを写メで撮影して、グループのタイトルをつけます。タイトルをつけ終わったら、話の流れを視覚的にまとめます。
3. アウトラインを文章でまとめる 30分
前の手順で、視覚的にまとめた情報を、アウトラインとして文字に起こします。文字に起こすタイミングで、視覚的なまとめから抜け落ちてた情報などが補完されるときがあります。
これが、発表内容の骨組みになります。ここがしっかりしていると、資料の作りやすさが違ってきます。
4. アウトラインに沿って、ノートで発表内容を書く 30分
アウトラインの項目一つずつに対して、膨らませた発表内容をノートで書きます。不明瞭なところ、分からないところは目印をつけておきます。ここでもググらないのが大事です。一気に書き上げましょう。
5. ノートの内容を紙プレゼンに起こす 1時間〜
ノートの内容を元にして、情報カードでプレゼンを作ってしまいます。デジタルでプレゼン資料を作り始めると、膨大な時間がかかるので、紙で作るのが一番早いです。
紙プレゼンは、あまりにもフリースタイルなので、いろんな書き方が出来てしまいます。あとでデジタル化することを考えて、使うスライドの種類は予め決めておくと良いです。私の場合は以下の5つに絞ってあります。
- 単文
- 複文
- 図に一言
- 列挙
- 場面転換(章タイトル用) -> 青いマーカーが引いてあるやつです。
- 無地
調査が必要な内容については、「To Be Written - あとで書く」という意味で TBW
と書いておきます。時間がかかるところは、後回しにしましょう。
6. TBWの箇所を調査して書く
この工程が、もっとも時間がかかります。嘘の情報を伝えないように、一次情報を調べて TBW
の箇所を埋めていきます。1週間以上かかるかもしれません。
すべての TBW
を埋めると、下記のように分厚い紙プレゼンができあがります。これで20分の登壇用です。(100枚程度)
7. プレゼンツールを使って、デジタルなプレゼン資料にする
今回は、Google Slides を使いました。事前にスライドの種類を絞って紙プレゼンを作っておいたので、ここでの作業は「単純な転記」です。
ただし、自作の図を使う場合は話が別です。自作図はとても時間がかかりますので、利用する場合は要注意です。
まとめ
ここまでの工程が終われば、プレゼンしても問題ない程度の資料が出来ているはずです。しかし、「神は細部に宿る」というやつで、この先はいくらでも資料のブラッシュアップが可能です。文字の大きさを微妙に変えたり、色をつけたり、図を直したりできます。場合に寄っては、構成をドラスティックに変えたりします。
仕上げをどれくらいやるか?は、人それぞれですので、本番プレゼン前までに、諦めがつく程度にやっておくと良いでしょう。
実際に、PHPerKaigi 2021の上記資料は、一度完成したあとに大幅に目次構成をいじったりしています。最初に考えたアウトラインからも結構変わっています。実際の完成資料はコチラです。
参考書籍
たくさんの情報から、グルーピングしてまとめていく手法はKJ法を参考にしてます。
情報収集も含めた INPUT & OUTPUT のテクニックがまとまっている、エンジニアの知的生産術もオススメです。