Yokohama North AM の第一回配信は、2020年5月2日でした。やめることなくポッドキャストを継続できていることにビックリしています。「変なこと喋ってしまった……もうやめようかな」と思ったことも何回もありましたが、寝ると忘れる性格が幸いしたのかもしれません。
今回は、Yokohama North AM を配信してきた配信設備を、時系列に沿って紹介していくことで、一番単純な生Podcast配信設備から、ちょっとお金のかかる配信設備にいたるまでの経過を、お手製の機材構成図を交えつつ解説していきます。
同じような設備で配信しているようでいて、細かいマイナーチェンジを繰り返していますので、ポッドキャスト配信に興味のある人には、役に立つ情報になるかと思います。それでは、始めていきましょう。
ポッドキャストと生配信の違い
まず、最初にクリアにしておきたいことがあります。それはポッドキャストと生配信の違いです。ポッドキャストは、Apple の Podcast, Google Podcat 等の配信プラットフォームに音声ファイルの場所を明記した XML ファイルを通じて更新を通知する仕組みになっています。
ポッドキャスト自体は「アーカイブによる配信」が意図されたものだということです。生配信にこだわりが無いのであれば、私の配信設備の半分は不要になります。そのため、「生配信をやりたいかどうか」は配信設備を整える前の重要な分岐点になります。
最小構成の機材構成図
生配信を行わない場合、用意する必要があるのは3つだけです。
- Google Chrome が動作する OS
- マイク
- ヘッドホン
オンラインでの音声収録ツールとして、Zencastr
を使います。Google Chrome は Zencastr
の動作要件として必要なためです。ヘッドホンは必ず用意してください。これはトーク相手の声がスピーカーから出力されてマイクに入ってしまう「エコーバック」という現象を起こさないためです。
マイクについては、MacBook Pro などに付属のマイクでも問題ありません。MacBook をお使いの方は EarPods も、素晴らしい音質なのでおすすめです。(衣擦れには注意してくださいね!)
Bluetooth 接続のマイクは、仕様上マイクのサンプリングレートが頭打ちになってしまい、音質が悪くなってしまいます。ポッドキャストは音質が命ですので、なるべく Bluetooth マイクを利用するのは避けるか、利用する場合は Airpods シリーズのようにメーカーが独自の改善を施している製品が望ましいです。
Tips
Zencastr にはエコーキャンセルの設定があります。これは、かならず Disabled
にしてください。この設定が有効だと、エコーバック防止のために会話の先頭が微妙に削られてしまいます。ヘッドホンを使えばエコーバック自体が発生しませんので不要です。
この時期の機材
SONY Electret Condenser Microphone ECM-PCV80U
このマイクは、配信初心者が手軽に使えるということでよく紹介されています。実際に私も使っていました。しかし、2つの点から現在は全くオススメしません。
- ホワイトノイズがあり、音質もそれほどよくない。特に音声編集をすると顕著ですが、少なくとも「良い音」には聞こえません。
- 後日、オーディオインタフェースなどを購入したときには使い回しがきかない。
このマイクの最大の欠点がこれです。一般的なオーディオインタフェースが供給する 48V ではなく、USB の 5V で動作するように設計されているため、このマイクは付属の USB ケーブル経由以外では使えません。オーディオインタフェースを経由させることで音質を向上させられるかも、みたいな夢がありません。
ブログ執筆時現在、有線マイクのオススメを聞かれた際に答えているのは下記のマイクです。
Samsung Q2U with Internal Audio Interface Dynamic Microphone
こちらのマイクも USB に接続するだけで使えるお手軽マイクです。値段は少し高くなりますが、普通のダイナミックマイクとしても使えるので、後日オーディオインタフェースを購入して、配信環境をアップグレードするときにも使いまわせます。実に筋の良い初心者向け USB 接続マイクです。
つづく…