前回は、Linux を使った生配信の機材構成について説明しました。今回は、現時点での最終回としてハードウェアを使った配信について解説します。個人的には一般人が行う生配信の一つの到達点になると思います。
ハードウェア生配信の機材構成
ATEM Mini Pro というハードウェアから配信が行える装置を使います。生配信に乗せるマイク音源と、Zencastr でトーク相手と話すために使うマイク音源の2つを用意する必要があるので、AG03 というオーディオインターフェースを利用します。AG03 にはモニタリング用の出力が2系統ついているのでマイクの音量を上げつつ、分岐させることができます。
ハードウェア生配信構成の要
ATEM Mini Pro は USB で PC に接続することで、ATEM Mini Pro に接続されたマイク・カメラを PC からも利用することができます。ただし、今回はあえてこれを使わないという判断をしました。
理由としては、ATEM Mini Pro の USB 端子は、HDD を直接接続してローカルバックアップ録音に利用したいためです。他の理由としては、Ubuntu と独立した形でマイクが使えるようにすることで、MacBook Pro などの他の端末で使い回せるというのもあります。
Podcat の第69回は、ハードウェアを使った生配信を初めて行った回です。OBS と比べても遜色がなくて、個人的には成功だったと感じています。とはいえ、OBS は使い勝手も良かったですし、普通は OBS で十分だと思います。
まとめ
2020年5月から開始した Yokohama North AM ですが、機材構成を少しずつ変えて進化しながらお送りしています。これからも、ウェブエンジニアの何気ない日常を高音質でお送りできるように励んでいきます。
おまけ、現在の各機材のレビュー
Focusrite Scarlett 2i2
Linux からも普通に使えます。入出力共にホワイトノイズが少なくてきれいな音が出ます。動作も安定していますし、見た目もカッコいいのがお気に入りのポイントです。ベリンガーや M-AUDIO などの格安オーディオインターフェースに比べると、ゲインを上げたときの音のクリアさが一段階抜けています。
YAMAHA AG03
配信と言うとコレというくらいに、各所でオススメされています。私は通常の配信では使っていなかったのですが、ループバック機能がついているので、お手軽に配信するには最適なオーディオインターフェースという感じです。Linux からでも普通に使えます。
私がオススメするポイントは、「つぶしがきく」 ということです。AG03 はスタンドアローンでも動作するので、USB 電源から直接給電した状態でもマイクアンプとして利用することができます。さらに、モニター出力が複数系統用意されているので、スプリッターとしても使えます。なんというか、困ったときになんか使える機械でもあります。
難点としては、上面が平たく無いので、机の整理整頓などをしていると邪魔です。上にちょっとした物を置いたりもできません。(機能というよりは外観の問題ですね)
sE Electronics DM1 Dynamite
ダイナミックマイクを買ったは良いけど、音が小さくてつらい……という悲しみに暮れていたときに出会いました。同型製品の中でもかなり安い部類に入ります。ファンタム電源さえあれば、追加の電源も必要ありませんし、ケーブルの途中に刺すだけという手軽さも Good です。
これを置きかえるときは、真空管プリアンプなどのかなりの高級機材を購入するときです。そんなときが来ないことを祈ります。
SHURE SM7B
いろんなダイナミックマイクを試しましたが、このマイクが終着点と思っています。自分の声が、そのまま録音されます。トークの途中で、盛り上がって急に声が大きくなったときでも、それほど耳障りのない音で拾ってくれます。
ダイナミックマイクなので、音が小さいという扱いづらさはありますが、これのおかげで音源編集時に音質の悪さで暗い気持ちになることがなくなりました。ただ、高いので一概にオススメはできません。同型で USB 接続できる MV7 などもありますので、まずはそっちを使うのも良いかもしれません……
G Blue Compass
マイクアームなんて安くてもいいだろ?と思っていた時期が私にもありました。しかし、安いマイクアームはバネを使った製品が多いので、収録中に不意に「ばいぃぃぃぃん」って音が入ったりしました。このマイクアームに変えてから、その手の事故とは無縁になりました。ケーブルも隠せるし、満足度高いです。
ATEM Mini Pro
なんというか、見た目がカッコいいです。これに関しては、まだ使い込んでいないのでコメントは特にないです。今のところは、ハードウェアから配信できるという良さをそこまで感じてはいないです。
最後に、アフィリンクを置いておきます。もし、買いたくなったらぜひこちらから…