データベーススペシャリスト合格記

2024-01-05
DB

2023年10月のデータベーススペシャリスト試験で、無事合格を果たすことができました。今までに2回落ちて、3度目の正直でした。仕事でデータベースのテーブル設計とか、クエリチューニングとかをある程度やっている人間ですが、試験対策は別物と考えたほうが良いです。

今回の記事では、ある程度データベースの経験を持っているITエンジニアがデータベーススペシャリストの試験に合格するには何を気をつければ良いのかをまとめます。

試験の予約がまずムズい

これはIPAの試験を受ける方なら常識ですが、試験の申し込み期間が決まっています。

  • 春季試験(4月) の場合は1月くらい
  • 秋季試験(10月) の場合は7月くらい

なのでIPAの資格試験を受ける場合は、まずGoogle Calendarなどに試験申し込みのリマインダーを設定することから始めましょう。

スペシャリスト系試験は長い

朝10時くらいから始まって、夕方17時くらいまでかかります。中年にはこたえます。午前1だけは免除という制度がありますが、これは過去に午前1をパスした人だけの特典です。初めて受験する人は1日で合計4つの試験を受けて、全て合格ラインを超える得点を取る必要があります。

参考書

実際に私が活用した参考書は3冊です。ただし、常に最新年度版の参考書が出版されるので、新しいものを買うようにしてください。出題傾向が微妙に変わってきます。

全体的なテスト対策の一冊

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最初の150ページくらいに午前・午後の試験対策が詰まってますので、一通り目を通せば試験で困ることはないはずです。しかし、コンパクトにまとめすぎているので「なぜそういう風に考えるのか?」といった理屈の部分はどうしても足りません。

過去問集

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過去問を解きまくることが何よりの試験対策になります。試験時間内に解く力もつきます。買った上でとにかく解きましょう。毎回出てくるようなイツメンみたいな問題があるので、それを落とさないようにするのが肝心です。

理屈をゆっくり覚える

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多分、この本より詳しく、かつITエンジニアにも分かるようにリレーショナルモデルについて解説してくれている本は無いです。上の2冊でテストが受かるようになっただけでは、肝心な理論が抜け落ちてしまいます。しっかりと基礎を学んでおくことも大事です。特に正規化理論などは試験対策本の2ページくらいの解説では「どうして??」が抜けているのでいつまで経っても覚えられないです。

私の思う最強の試験合格方法

まず、過去問で午前1, 午前2, 午後1, 午後2 を一回通しでやりましょう。そして採点してみましょう。その時点で合格点に達していたら、何もすること無いです。それぞれについて、合格点(六割)に達していない、もしくはギリギリで危ない場合には下記の勉強法で突破しましょう。

午前1

ITエンジニアとしての実務経験がある人なら余裕でパスできます。そうでない場合でも、過去問3年分を数回繰り返せば大丈夫です。試験時間が60分程度ですが、多肢選択式の場合は慣れるほどに速く解答できるようになります。

午前2

こちらは、午前1よりもデータベースの専門的な知識を求められます。しかし、午前1と同様に過去問3年分を数回繰り返して弱点を減らせば大丈夫です。私の場合は、解けない問題については単語帳にまとめて、ひたすら繰り返しました。結果9割正答することができました。

午後1

とにかく、何パターンか過去問をやってください。3問中2問を選んで解答するのですが、1問が長いです。当然、過去問練習にも時間がかかります。一番のポイントは「概念データモデル」と呼ばれるER図に継承のような概念が導入された独自の図に対する慣れです。

「概念データモデル」はER図ではないので、経験のある人でも慣れないと解釈が難しいです。慣れるしか無いので何度も過去問をやる必要がありますが、過去問をやるのに時間がかかるのが一番のネックです。2023年の試験では、概念データモデルを完成させる問題が2問でたので回避不能でした。確実に問題には出てくるので、回避せずに解けるようにしておくことが良いです。私は回避しようと思ってましたが、しょうがないのでがんばって解きましたw

午後2

基本的な対策は午後1と同じです。過去問をやること、概念データモデルに慣れておくことが大切です。ネックになるのは午後1同様に「過去問の実施に時間がかかること」です。大切なことなので何度もいいますが、時間がすごくかかります。

試験対策に時間がかかるということは、一夜漬けでは午後の試験は突破できないということです。計画的に学習する必要があります。

まとめ

というわけで、無事に受かったおかげで、こんなブログ記事も書けるようになりました。過去問をやることが合格への一番の近道なのは間違いないです。しかし、それだけだとスペシャリストとして大切な部分が抜けて落ちてしまいます。そういった部分を補うためにも、データベースの理論について書かれた書物も同時に読み込むことをおすすめします。ただ過去問をやるよりも記憶の定着が良くなりますし、なによりその方が間違いなく良いです。

あと、仮に十分な試験対策が出来なかったとしても、きちんと試験を受けることをおすすめします。2022年は試験に落ちましたが、とにかく試験を受けたことで過去問を1回やったのと同じ経験が得られました。データベーススペシャリストの試験勉強には時間がかかるんだぞ!っていうことを体に染み込ませるのにも有効です。落ちたら悔しいですが、それ以上に得るものがあります。

あと、40代以上の方に一つアドバイスですが、若い頃に比べて「テストの本文を読んで、すばやく理解して解答する力」が明確に落ちています。これも過去問をやりこむことで回復できますので、がんばってください!