⚠️このブログポストは、真面目な上にダラダラと長いです。
なぜ自分がPHPカンファレンス福岡に感謝しているのかを伝えるためにダラダラと前提となる情報を書いているためです。ぎゅっと一言にまとめて表現すると「ありがとう」です。
では、お暇な方は続きをどうぞ。
カンファレンス参加者としての自分
初めて参加したカンファレンスが何だったか、確か大田区産業プラザでCodeIgniterの話を聞きにいったような…と思ってググったら、自分のブログが出てきた。
当時の私は34歳で、自分のスキルに伸び悩みを感じていて、焦りまくっていました。こんなスキルでやっていけるのだろうかと、自分の能力に自信が持てない日々を送っていました。カンファレンスの参加は、そんなキャリアに対する不安をなんとかしようともがく行動の一つでした。
CICon2011jp - 「CodeIgniter」を読もう。~ソースコードから知る仕様や拡張方法~
この発表をはっきりと覚えています。CodeIgniterのソースコードをVimでコンソールに写して説明してくれていました。私の感想は「Vimでコンソール操るのかっちょい〜〜〜」です。ソースコードは一ミリも覚えていませんが、このあとからVimmerになりました。発表する側は準備が大変なのに、聞いている側は本当に伝えたかったであろう内容以外で感激してたりするのです。
カンファレンス登壇者としての自分
2011年から2013年までは、カンファレンスは参加するものであって、自分が発表する場ではありませんでした。社内勉強会を主催したりしていましたが、外部の大きな集まりで発表するという経験はありませんでした。そりゃ、発表できたらカッコ良さそうだけど、大変そうだしなぁと当時思っていました。
なぜ、一歩踏み出して登壇しようと思ったのか?それは懇親会に参加したかったからです。多分、PHPカンファレンス2013に参加したときのことですが、懇親会という謎の会合がカンファレンス後に行われていることに初めて気が付きました。なんだそれ?楽しそうだな?でも、俺なんかが参加しても何も喋れずにボッチになりそうでこわいぞ。せめて、登壇していたら… 登壇者なら、胸を張って懇親会に参加してワイワイ懇親できるんじゃないか?
というわけで、当時は雲の上の存在であったカンファレンスで発表を行っている立派なエンジニアの人と懇親する勇気を得るために登壇をしてみようという流れになりました。
初めて採択されたのは、2014年のPHPカンファレンスでした。CfPに応募するのが怖くて、なかなか送信ボタンを押せなかったことをよく覚えています。タイトルは「中年以降エンジニアの成長戦略」でした。通常トークは怖すぎたのでLTです。スライドはslideshareに残っているのですが、なんだか404になってます。需要がありそうだったらspeakerdeckにアップロードしとこうかな…
https://www.slideshare.net/slideshow/ss-40144615/40144615
さて、LT登壇して懇親会にも参加できました。登壇者であっても、知り合いがいなければ懇親会では普通にボッチになるのだということを学びました。それでも、必死に何名かに話しかけて交流することができました。ひとまず、初めての登壇は成功?して終わりました。そうなってくると、次の野望が出てきます。
「LTではなく、通常トークをしたい!!」
しかし、登壇するのは怖い。話すような技術ネタも思いつかない。話したとしてマサカリが飛んできたらどうしよう。一体どうしたらいいんだ〜〜〜!と悩んでいました。それが2014年頃の話です。36歳のおっさんがもがいておりました。
PHPカンファレンス福岡2015
PHPカンファレンス福岡
— cakephper ichikawa (@cakephper) September 4, 2014
このツイート、めちゃくちゃ覚えています。そして同時に、脳裏に浮かんだ考えがあります。いきなり東京のカンファレンスで登壇するのはめちゃくちゃ怖い。でも地方なら、福岡なら、もう少し規模が小さいから、なんとか頑張れるのではないか?
こんな背景があって、PHPカンファレンス福岡2015に応募しました。一度も行ったことのない福岡という土地で行われるカンファレンスに、私が登壇してみたいという気持ちになったのは、こんな流れでした。ちょうど、登壇できそうな場所を探していたエンジニアに、ちょうど良さそうなカンファレンスが現れたというわけです。
ネタがない
当時、普通にバックエンドエンジニアをしてましたが、登壇経験がなさすぎて、自分に話せることがないと思い込みすぎていました。今考えれば、仕事でやってることから普通にネタを考えればよいだけなのに情けないものです。
どんな内容の話だったら、兵(つわもの)たちの間に割り込んでいけるか?過去のPHPカンファレンスの登壇内容をすべてチェックしたうえで、どうやらテスト関連の話が少ないということに気づきました。仕事で自動テストは書いていたのですが、PHPUnitの話では当たり前すぎて新規性がない。よし、それじゃ、それほど経験があるわけじゃないけど、behatのBDDの話で応募してみよう。そんな感じでした。
登壇のために、それほど詳しくない分野を選択するというのは明確なアンチパターンなので、昔の自分をひっぱたいてやりたい気分です。ただ、登壇自体は真面目に取り組んだので、behat拡張の自作方法など含めて、とにかくたくさん試行錯誤して、関連ブログポストや拡張用のリポジトリ作成など、準備をしっかりとやったことは救いでした。
通常トーク登壇と懇親
前夜祭も企画されていたので、前夜祭にも参加しました。いまなら気軽に話しかけられる人も、当時は全く面識がありませんでした。向こうは向こうで、東京からきたよくわからんオッサンと話すのは大変だったと思います。前夜祭はあんまり喋れず、不安が募ったことを覚えています。博多も初めてでした。警察署や市役所の近くをトボトボ歩きながら、本番は大丈夫だろうかと心配してました。
登壇については、予定通りの内容をきっちりできたことは覚えています。昔からプレゼンが得意だったので、これだけは全く問題なし、得意分野でした。登壇が終わったあとに「自分はカンファレンスで登壇したことがある人になったんだ、やった!よく頑張った!」と自分を褒めてました。
behatによるRESTFUL APIのテスト、及びbehat extensionの作り方
その後は、課題の懇親会です。PHPカンファレンス2014の経験から、登壇しても上手に懇親できないのは重々承知です。でも、なんだか、すごく楽しかったことを覚えています。初めての福岡、初めての登壇を無事に終わらせることができて、とても嬉しかったです。
このPHPカンファレンス2015が終わって、「カンファレンスに通常トークで登壇して懇親会にも参加した実績」を解除しました。この経験が私のエンジニア人生を大きく変えてくれました。以後は、積極的にカンファレンスに参加するようになりました。CfPにもホイホイ応募できるようになりました。すべてPHPカンファレンス福岡2015のおかげです。本当に死ぬほど感謝しています。市川さん、赤瀬さん、本当にありがとうございました。
なんと、しっかりと参加ブログも書いてました。
2016年からコロナ禍まで
この先は、ただただ転がるようにエンジニア人生がうまく回るようになりました。登壇で自信がついたので、以前よりも積極的に様々なことに挑戦するようになりました。Dockerはその最たるものです。他の人より、少し早めにキャッチアップしていたので、何回かDockerの話で登壇することができました。これがいわゆる先行者利益というやつで、大して詳しくないのに重宝されました。流行にはのっておくと良いことがあります。
このあと、色々あって赤瀬さんとはしばらく同じ会社に所属することになりました。赤瀬さんはすごく喜んでくれて、いいエンジニアが来てくれたとおっしゃってくれましたが、私が心の中で思っていたのは「逆ですよ、逆、恩返しに参上しました」です。PHPカンファレンス福岡に応募することは生活の一部になりまして、毎年毎年普通に応募して登壇するようになりました。
- 2017 - Dockerを本番で使ってみて分かったこと
- 2018 - ログの設計してますか?PSR3とログ設計の話
- 2019 - 知ると得するコマンドラインPHPの便利な使い方 -> この年だけ登壇スライドが行方不明…
コロナ禍明け
PHPカンファレンスが再開されたら、絶対に参加するんだ!絶対に盛り上げるぞ!俺はあの時より成長してるんだ!という気持ちで望んだのが2023年です。なんとメインホールでうずらさんの裏番組です。ビッグになりやがったな俺という気持ちでした。
これ以降も、とにかく私のなかでは特別なカンファレンスでした。だからPHPカンファレンス福岡のために、毎年必ず大ネタを仕込むという作業を一年かけてやっていました。仮に採択されなかったとしても、絶対に参加して、盛り上げるのだという気持ちはいつも忘れていません。
2025年
今年は、プライベートで色々あった影響で、仕込みが中途半端になってしまいました。採択される可能性は低いかもしれないけど、今の自分に発表できる内容の中で選りすぐったものを応募しました。幸い採択されまして、PHPカンファレンス福岡のすべての年で登壇させていただくことができました。
さまざまなライフイベントが発生して、身の回りの環境の変化もあるなかで、ずっと生活のハリになってくれていたカンファレンスでした。福岡で発表するために頑張ろう、今年も全部出しきるぞ!ができました。
で、何が言いたいのか
単純に、本当に感謝です。私は明確にPHPカンファレンス福岡に育てていただきました。今の所属会社における私の活動も、そのベースにあるのは福岡での登壇経験がスタートです。本当に、本当にありがとうございました。PHPカンファレンス福岡がこれで最後なのかどうかなど、もはや関係なくて、これからも自分が受けた恩をだれかに贈れるように、コミュニティに対して自分のできる貢献をしていきます。
こんな気持だったので、PHPカンファレンス福岡2025の懇親会で、赤瀬さん・市川さんに話しかけられたら泣いちゃいそうだったので逃げ回りました。すいません。
赤瀬さん泣いちゃうと、僕も泣いちゃいそう #phpconfuk
— Ryo Tomidokoro (@hanhan1978) November 8, 2025
今、ちょっと泣いちゃっていますが、もしこのダラダラ長い文章を最後まで読んでくれた方がいるなら、ラストにこの言葉を送ります。あなたのちょっとした勇気、ちょっとした一歩が、思いもよらない成果をあげます。世界のどこかにいる、ちょっと勇気を持てない人の背中を少し押してあげる可能性があります。だから、みんなもコミュニティ活動を続けていこうな!!!!
最後にもう一度
本当にありがとうございました。